【事業譲受のお知らせ】インタビュー記事をリリースしました

インタビューアー兼ライター

いうと Iuto

通信制高校に在学中。複数のスタートアップ起業で働く傍ら、ライターや広報として、感覚過敏研究所にも勤務。2025年バトラヴォに参画、広報に携わる。

01. 事業について

─ノックラーンはどんな会社ですか?

ノックラーン福本:

株式会社ノックラーンは2022年3月に創業し、創業当初はオンライン家庭教師サービス「KnockLearn」のみを運営していました。会社を創業する前(大学4年生の冬)から、有志メンバーとともに作り上げてきた事業を当時法人化しました。ノックラーンという社名は、社会の扉を叩いて(Knock)学ぼう(Learn)という、教育事業のコンセプトからきています。

オンライン家庭教師「KnockLearn」は、古代ギリシャのアリストテレスとアレクサンドロス大王の2人が、師弟関係に留まらず、共同で研究するなど学び合うエピソードをもとに設計しています。

各分野で活躍する社会人講師から小中高生が教わるという関係性から、近い将来、何らかの共同研究を行うなどのムーブメントを起こしていこうと思い、歴史的な背景を踏まえて、サービス開発をしてきました。また、「次世代の教育スタンダードの創出」を掲げて、サービス運営を行っておりました。

創業当時は教育事業で資金調達を考えていたのですが、投資家側と私自身の方向性が合わず断念し、HR事業「Recboo」で得た利益をもとに、教育事業を運営していく方針に転換しました。

教育事業は、その後オンライン家庭教師「KnockLearn」だけではなく、高校生向け実践プログラム「KnockLearn DIVE」も立ち上げ、2つの事業を運営していました。

─バトラヴォはどんな会社ですか?

バトラヴォ津野:

バトラヴォは、2022年10月に創業し、ひとりひとりの個性や才能を発掘して伸ばす機会をつくることをミッションに、教育事業に取り組んでいる会社です。

弊社は、東京渋谷区での小学生向けのアート教室から創業しました。アート教室を運営する中で、「こんなにもカラフルな個性を持つ子どもたちの才能をどうにか可視化できないか」と思い、3期目から子どもたちの才能や特性を発掘するためのWEB診断を独自開発してきました。現在は、特に小中学生のお子さんを持つ親御さんや教育関係者の方々にサービスを提供しています。

情報へのアクセシビリティも重視していて、エビデンスベースの教育情報を発信するオウンドメディア「Gifted Gaze(ギフテッド・ゲイズ)」も運営しています。

昨年は、医師や臨床心理士などの専門家に気軽に相談できるオンライン相談サービスも始めました。子育て・教育情報の質に課題も感じていたので、親御さんや教育関係者の方が必要な時に専門性の高い情報にアクセスできるという環境づくりに取り組んでいます。

ちょうど現在、子育て相談のAI bot開発を東京都の助成事業としても進めています。弊社の専門家が監修した子育て・教育情報に誰でもより簡単にアクセスできるようになればいいなと思います。

02. 事業譲渡の経緯について

ノックラーン福本社長(左)と弊社代表津野(右)

─福本さん、バトラヴォへの事業譲渡を決めた理由は何でしょうか?

ノックラーン福本:

これまで取り組んできたHR事業「Recboo」の業績が評価され、2024年12月に株式会社エアトリにM&Aという形で株式譲渡し、株式会社エアトリのグループ会社になりました。これまでHR事業・教育事業の2つを運営しており、どちらも力を入れたい事業ではあったのですが、HR事業に取り組みながら、教育事業を急成長させるためにリソースを割くことが正直なところ難しかったです。

しかし、このサービスを世の中に浸透させたいという思いは未だにあり、より良い担い手のもと社会にサービスを浸透させるための方法として事業譲渡を決断しました。

実際に何人かとお会いしてお話した際に、バトラヴォの津野さんがKnockLearn事業のコンセプトや思いに対して共感してくださったことも、バトラヴォさんへ事業譲渡を決めた1つの理由です。

また、弊社が取り組んできたサービスを使ってくださっていたのは、学習意欲や意識の高い学生の方が多く、バトラヴォさんの事業内容とも非常にシナジーがあると感じました。

これまで取り組んできた教育事業は、とても良いサービスだとずっと信じているのですが、それを広めるための力は、十分ではありませんでした。

そのため、弊社で取り組んできた教育事業をバトラヴォさんに運営していただくことで、より必要としている多くの方々にスピード感をもって届けられるのではないかと思い、最終的にバトラヴォさんに事業譲渡することに決めました。

─津野さん、ノックラーンの事業譲渡を受けた理由を教えて下さい。

バトラヴォ津野:

私も、ノックラーンさんの事業とシナジーを感じたことが一番です。初めて福本さんにお会いしてお話しをした時に、「ぜひ弊社に託してください!」という感覚になりました。教育事業の根本的なコンセプトに共通点も多かったこともあります。

また、弊社は創業当時から、例えばミネルバ大学のような、オンラインで専門的な授業を受講したりインターンシップなどの実践的な活動に取り組むための機会を提供したいという想いがあり、それを目指してきました。子どもたちはできるだけ早い時期から、社会とつながる体験が大事だと思うので。

福本さんが取り組んできたこの事業をお譲りいただくことで、スピードアップして弊社の目標を実現していけると思い、決めました。

03. 対象事業のこれからについて

─今後の展望を教えて下さい。どんなことを描いていますか?

バトラヴォ津野:

ノックラーンさんの哲学を引き継ぎ、中高生が社会に出るために「生きる力」がより身に付くようなカリキュラムとして継続して運営していきます。

専門スキルのプログラムもバリエーションを増やす予定で、弊社の得意領域である才能開発や自己理解の講義も充実させていきます。

専門スキルを身につけて、そのスキルを実社会でどう使うかを理解して、プログラムに参加してくれた人自身のものにできるような体験を提供していきます。

学校で教わる範囲に留まらず、学びたい意欲のある人がその分野の未来を切り拓くレベルの学びにリーチできるように、尽力したいと思います。

04. 最後にメッセージ

─ノックラーンからバトラヴォにメッセージをお願いします。

ノックラーン福本:

バトラヴォさんの今後の展望にはとても共感しておりますし、バトラヴォさんであればKnockLearnのDNAを受け継いでいただき、日本の明るい未来の創出や次世代の教育スタンダードに向けて、今よりさらにサービスを進化させながら、サービスを必要としてくださる方々に広げていただけると確信しております。今後が非常に楽しみです。

私自身の会社で教育のスタンダードをつくるのは一旦一区切りだと感じていますが、事業譲渡後も、サポート・アドバイスなどの形で、積極的に関わっていきたいと思いますし、個人的にはこれまで学校さんと取り組んでいた活動に関しては継続的に行っていく予定です。

─最後に、お二人から保護者や生徒の方にメッセージをお願いします。

ノックラーン福本:

これまで取り組んできた「KnockLearn」「KnockLearn DIVE」では、サービス受講生の満足度も非常に高く、現在も卒業生と繋がっていたりと、良いコンテンツをつくってきた自負はあります。

今後、バトラヴォさんのもとで、よりよいサービスにしていただけると思っておりますので、ご期待ください。

バトラヴォ津野:

ノックラーンさんの創業時からの想いを受け継ぐことはもちろんですし、元々満足度の高いプログラムですが、さらに満足してもらえるように工夫を凝らしていきます。

ノックラーンさんはキャリア教育や若手起業家支援などにも積極的に取り組まれていますよね。引き続き福本さんと連携させていただきながら、受講生の方にはプログラム自体もプログラムを卒業した後も、いろんな機会を楽しみにしていただければと思います。

最後に、特に中高生のうちは、少しでも気になる・心が揺さぶられることに挑戦し、自分で選ぶ・やってみる経験を重ねてほしいです。

新生「KnockLearn」「KnockLearn DIVE」が皆さんにとって、そんな経験ができる場の1つになれば嬉しいです。

プロフィール

株式会社ノックラーン 代表取締役社長

福本 英
Akira Fukumoto

合同会社バトラヴォ Founder/CEO

津野 美咲
Misaki Tsuno